学術的討論会 Ⅰ(4人座談会)
井田齊名誉教授、黒倉壽名誉教授を三陸臨海研究室にお招きして行った、特別対談「水槽で魚を飼育するということ-知ると飼うのが楽しくなる科学的知見-」に合わせて学術的討論会を行いました。当研究室を立ち上げるに至った経緯やこれまでの取組みの報告、私たちが提供する精密凍結活餌料Natural Ecosystem Module®︎によって実現したい世界や可能性について、ざっくばらんに語り合いました。
井田齊名誉教授、黒倉壽名誉教授を三陸臨海研究室にお招きして行った、特別対談「水槽で魚を飼育するということ-知ると飼うのが楽しくなる科学的知見-」に合わせて学術的討論会を行いました。当研究室を立ち上げるに至った経緯やこれまでの取組みの報告、私たちが提供する精密凍結活餌料Natural Ecosystem Module®︎によって実現したい世界や可能性について、ざっくばらんに語り合いました。
井田 齊Hitoshi IDA
北里大学海洋生命学部 名誉教授
主要研究テーマ:魚類分類学・水産資源学
主な著書:『魚はすごい』小学館新書(著)。『フィールドガイド日本の淡水魚図鑑:魚の生息環境と見分けるポイントがわかる』誠文堂新光社・『海のミクロ生物図鑑:チリメンモンスターの中に広がる世界』仮説社・『サケマス・イワナのわかる本』山と渓谷社・『サバがマグロを産む日』つり人社・『魚・水の生物のふしぎ』ポプラ社・『資源生物としてのサメ・エイ類』恒星社厚生閣・『サケ・マスのすべて』平凡社・『現代の魚類学』朝倉書店・ 『魚の事典』東京堂出版・ 『日本産魚類大図鑑』東海大出版会・『小学館の図鑑NEO魚』『小学館の図鑑NEO POCKET魚』小学館(いずれも共著)。『マリン・アクアリウム』『海水魚飼育入門:Q &Aマニュアル』緑書房(監訳)など多数。「第12回東急財団 社会貢献環境学術賞」受賞。
黒倉 壽Hisashi KUROKURA
東京大学大学院農学生命科学研究科 名誉教授
主要研究テーマ:水圏生産科学・水産増殖学
主な著書:『海の食糧資源の科学:持続可能な発展に向けて(生命科学と現代社会)』『地域が生まれる、資源が育てる:エリアケイパビリティーの実践』勉誠出版・『ナマズの博覧誌(生き物文化誌選書)誠文堂新光社・『養殖海域の環境収容力』『水産養殖とゼロエミッション研究』『水圏の放射能汚染:福島の水産業復興をめざして』『農学・水産学系学生のための数理科学入門』『水圏生物科学入門』恒星社厚生閣・『食卓に迫る危機:グローバル社会における漁業資源の未来』講談社・『資源経済学への招待:ケーススタディのとしての水産業』ミネルヴァ書房・『人と魚の自然誌:母なるメコン川に生きる』世界思想社・『魚食をまもる水産業の戦略的な抜本改革を急げ』日本経済調査協議会(いずれも共著)など多数。「令和元年度日本水産学会功績賞」受賞。
八木 健一郎Kenichiro YAGI
有限会社三陸とれたて市場 代表取締役
主要研究テーマ:三陸エンリッチメント研究室 アライアンスパートナー
北里大学水産学部(現・海洋生命科学部)卒業。2001年に地元の商店と協働して鮮魚のネット販売を始め、2004年有限会社三陸とれたて市場を設立。船に設置したネットカメラで漁を中継するなど、ICTを活用した販促を行う。東日本大震災後は、地元の漁業者とともに漁業復興に取り組み、魚の加工プラントを新設。地域の雇用創出に貢献するとともに、競争力のある商品開発を行う。第27回「東北ニュービジネス大賞」東北アントレプレナー大賞、令和4年度「新しい東北」復興・創生の星顕彰、2022年度第27回「安藤百福賞」発明発見奨励賞など受賞多数。静岡県出身。1977年生。
取得資格:第1種管理衛生者・FDAトレーニング有資格者・PCQI(Preventive Controls Qualified Individual)認定者
𡈽方 剛史Takeshi HIJIKATA
三陸エンリッチメント研究室 代表
2012 年復興支援を目的に岩手へ移住。緊急時支援の後は、被災地プロダクツを全国に販売する物産展ディレクション業務で起業。その後、野外イベント等の制作にも活動を広げている。また、生産者に寄り添い強いブランドを育成していく取組みを得意とし、代表作品には陸前高田市米崎町・佐々木商店「雪解け牡蠣」などがある。2020年、復興支援先の一つにあった有限会社三陸とれたて市場と「三陸エンリッチメント研究室」を合弁で立ち上げ、地域水産資源の高度経済化モデルの育成に挑む。「大船渡ビジネスプランコンテスト2021」ビジネス部門最優秀賞、第6回「グッドアクアリウムデザイン賞2022」AQUA Prize(特別賞)受賞、第20回リエゾン-Ⅰ 研究開発事業化育成資金採択。第4回北日本銀行ニュービジネスコンテスト起業部門優秀賞。神奈川県出身。1978年生。
取得資格:調理師・PADIレスキューダイバー・食の6次産業化プロデューサーレベル3・PCQI(Preventive Controls Qualified Individual)認定者
所属学協会:日本水産学会・日本魚類学会・日本動物園水族館教育研究会
1. 開催趣旨の説明
2. 三陸とれたて市場を立ち上げるまでの経緯
3. 三陸エンリッチメント研究室を立ち上げるまでの経緯
4. 1人のアクアリストとの出会いから始まった餌料開発
5. 三陸エンリッチメント研究室の設立
魚に余すことなく栄養を届けるための餌料開発
6. 魚をお客様とする餌料の品質評価の難しさ
7. 飼育試験からの知見:餌から大切な栄養分が漏出している?
8. 漏出した栄養分を特定するための実験手順の模索
9. 凍結餌料の品質を評価する手法:K値とATPによる定量分析
10. 餌料を食べなかった魚が食べるようになる要因
他社餌料と比較した際のエンリッチメント餌料の差別性
11. 天然餌料の質の不安定性とユーザーの理解醸成の重要性
12. 研究機関における凍結餌料の活用可能性
13. 余談:三陸エンリッチメント研究室の餌料と他社餌料との差別性
14. 水槽内の環境をも強くする可能性を秘めた凍結餌料
魚の摂餌行動に向き合う
15. 環境水中の餌の豊かさによって変わる魚の摂餌行動
16. 摂餌行動研究において重要なのは「個」の魚を観察すること
17. 魚にとって「美味しい」と感じられているのかの把握困難性
魚卵シリーズが持つ様々な可能性
18. 多産多死の魚卵を「自然環境下でニーズが強い餌料」と捉える
19. 完全栄養食として魚卵を捉え直すことの意義
20. 捕食者の摂餌を誘引する魚卵
21. 凍結餌料製造における原料供給の安定性と魚卵の経済価値化
22.水質汚濁を起こさないことが求められる魚卵シリーズ
23.近大のウナギ完全養殖のコストダウン用餌料としての活用可能性
海の資源を価値化するという視点から見た餌料ビジネス
24.バイプロダクトの活用だからこそ成立する餌料ビジネスモデル
25.海の資源をあまねく価値化するアプローチとしての餌料ビジネス
エンディング